DDR4メモリの種類を一覧で解説|形状・ECC・RDIMMの違い

1. はじめに

DDR4メモリを探すと、DDR4-3200PC4-25600UDIMMSO-DIMMECCRDIMM1Rx8など、種類の違う表記が一度に出てきます。どれもDDR4に関する情報ですが、同じ基準で分類した名前ではありません。

先に結論を書くと、DDR4メモリは次の6項目を分けて確認すると整理できます。

  1. DDRの世代:DDR4か
  2. 形状:DIMMかSO-DIMMか
  3. 信号方式:UDIMM、RDIMM、LRDIMMのどれか
  4. エラー訂正:ECC対応か非ECCか
  5. 内部構成:ランク数とx4・x8・x16
  6. 速度:DDR4-3200、PC4-25600、CL値など

容量と速度だけが同じでも、この組み合わせが違えば使えないことがあります。特に、一般PC用UDIMMとサーバー用RDIMMは、どちらも288ピンでも互換品ではありません。

この記事では、一般的なPC、ノートPC、ワークステーション、中古サーバーで遭遇するDDR4メモリを一通り扱います。組み込み機器や特定メーカー専用の特殊モジュールまで、世界中の製品型番を列挙するものではありません。最終的な対応可否は、必ずPCやサーバーの公式仕様書とメモリ対応表で確認してください。

2. DDR4とは

DDR4は「Double Data Rate 4 Synchronous Dynamic Random Access Memory」の略で、DDR SDRAMの第4世代です。CPUが処理中のデータを一時的に置く、メインメモリとして使われます。

電源を切ってもデータが残るSSDやHDDとは異なり、通常のDDR4 DRAMは電源を切ると内容が失われます。その代わり、ストレージより低い遅延でCPUからアクセスできます。

「Double Data Rate」は、クロックの立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを転送する方式を指します。DDR4の「4」は第4世代という意味であり、「DDR3の4倍速」という意味ではありません。

DDR4モジュールの基本的な特徴は次のとおりです。

項目 一般的なDDR4の仕様
標準電圧 1.2V
デスクトップ用DIMM 288ピン
ノートPC用SO-DIMM 260ピン
JEDEC標準の主な転送速度 1600~3200MT/s
世代間の互換性 DDR3・DDR5とは非互換

DDR3、DDR4、DDR5では、ピン数だけでなく切り欠き位置や電気仕様も異なります。物理的に無理に挿したり、変換して流用したりするものではありません。

3. 「DDR4の種類」が一つではない理由

ECCSO-DIMMを並べて、どちらを選ぶか考えるのは正確ではありません。ECCは機能、SO-DIMMは基板の形状だからです。ECC対応SO-DIMMも存在します。

同じように、RDIMM2Rx8も別の分類です。RDIMMは信号を扱う方式、2Rx8はランク数とDRAMチップのデータ幅を表します。

DDR4
├─ 形状
│  ├─ DIMM(フルサイズ)
│  └─ SO-DIMM(小型)
├─ 信号方式
│  ├─ UDIMM
│  ├─ RDIMM
│  └─ LRDIMM
├─ エラー訂正
│  ├─ 非ECC
│  └─ ECC
├─ 内部構成
│  ├─ 1R・2R・4R・8Rなど
│  └─ x4・x8・x16など
└─ 速度・タイミング
   ├─ DDR4-2400・2666・3200など
   └─ CL値・JEDEC・XMPなど

製品名を見るときは、この木構造のどこを説明している言葉なのかを判断します。

4. DDR4メモリの種類一覧

まず、交換用メモリとして目にする主な種類を一覧にします。

種類 主な形状 ECC バッファ方式 主な用途 一般PCでの利用
非ECC UDIMM 288ピンDIMM なし Unbuffered デスクトップPC 一般的
ECC UDIMM 288ピンDIMM あり Unbuffered 小規模サーバー、ワークステーション 対応機種のみ
非ECC SO-DIMM 260ピンSO-DIMM なし Unbuffered ノートPC、小型PC 一般的
ECC SO-DIMM 260ピンSO-DIMM あり Unbuffered 一部ワークステーション、組み込み機器 対応機種のみ
RDIMM 288ピンDIMM 通常あり Registered サーバー、ワークステーション 基本的に不可
VLP RDIMM 背の低い288ピンDIMM 通常あり Registered 高密度・省スペースサーバー 基本的に不可
LRDIMM 288ピンDIMM 通常あり Load Reduced 大容量サーバー 基本的に不可
3DS RDIMM 288ピンDIMM あり Registered、3DS構造 高密度サーバー 基本的に不可
3DS LRDIMM 288ピンDIMM あり Load Reduced、3DS構造 さらに大容量のサーバー 基本的に不可
NVDIMM-N 機種専用のDDR4 DIMM形状 ありの製品が中心 製品による 停電時も内容を保持するサーバー 不可

「通常あり」「製品による」としたのは、ECC、形状、バッファ方式が本来は別の属性だからです。ただし、市場にあるDDR4 RDIMMとLRDIMMはサーバー向けECC製品が一般的です。

VLPは高さ、3DSはDRAMの積層方法を表すため、RDIMMやLRDIMMと排他的な分類ではありません。たとえば「3DS LRDIMM」は、3DS構造とLRDIMM方式を両方採用した製品です。

5. UDIMM:一般PCで使われるDDR4

UDIMMは「Unbuffered DIMM」の略です。CPUのメモリコントローラーとDRAMの間に、RDIMMで使うレジスタを置かない方式です。

一般的なデスクトップPC向けDDR4は、288ピンの非ECC UDIMMです。自作PCショップで単に「デスクトップ用DDR4」として販売されている製品の多くが該当します。

UDIMMには次の2種類があります。

  • 非ECC UDIMM:一般的なデスクトップPC向け
  • ECC UDIMM:対応するCPUとマザーボードを使うワークステーションや小規模サーバー向け

ECC UDIMMは、RDIMMではありません。ECCという機能を持ちながら、信号方式はUnbufferedです。ここは中古メモリを買うときに特に間違えやすい部分です。

6. SO-DIMM:ノートPCや小型PC向け

SO-DIMMは「Small Outline DIMM」の略で、フルサイズDIMMより小さいメモリモジュールです。DDR4 SO-DIMMは260ピンで、ノートPC、ミニPC、一体型PC、一部のNASなどに使われます。

SO-DIMMにも非ECC製品とECC製品があります。ただし、ECC SO-DIMMを使える機器は限定されます。ノートPCに260ピンのECC SO-DIMMが物理的に入ったとしても、CPUやファームウェアが対応していなければECC機能を利用できるとは限りません。起動しない場合もあります。

オンボードメモリだけを搭載し、SO-DIMMスロットがないノートPCもあります。増設前には、空きスロット、最大容量、対応速度、片面・両面ではなく対応ランクとDRAM密度まで公式情報で確認します。

7. ECCと非ECCの違い

ECCは「Error Correcting Code」の略です。メモリ上で発生したビット誤りを検出・訂正する仕組みで、長時間動かすサーバーやデータの正確性を重視するワークステーションで使われます。

DDR4の一般的な非ECC UDIMMは64bit幅、ECC対応のUDIMM・SO-DIMM・RDIMM・LRDIMMは、64bitのデータにECC用の8bitを加えた72bit幅として構成されます。製品ラベルや仕様欄でx64x72と表記されることがあります。

ただし、ECCメモリを挿すだけでECCが有効になるわけではありません。

  • CPUのメモリコントローラーが対応している
  • マザーボードやサーバー本体が対応している
  • BIOS・UEFIやファームウェアが対応している
  • 対応するECCメモリの種類が一致している

この条件が必要です。「ECC対応CPU」でも、ECC UDIMMだけに対応する製品、RDIMMに対応する製品、特定世代のLRDIMMまで対応する製品があります。

また、ECCとRegisteredは別の意味です。

ECC        = エラー訂正機能
Registered = アドレス・コマンド信号をレジスタで受ける方式

そのため、「ECCだからRDIMM」「ECCなしだからUDIMM」とは限りません。

8. RDIMM:サーバー向けのRegistered DIMM

RDIMMは「Registered DIMM」の略です。CPUから届くアドレス信号やコマンド信号を、モジュール上のレジスタで一度受けてからDRAMへ送ります。

多数のDRAMチップやDIMMを接続すると、CPUのメモリコントローラーにかかる電気的な負荷が増えます。RDIMMはその負荷を抑え、サーバーで多数枚・大容量のメモリを構成しやすくします。

一方、レジスタを使うため、UDIMMとは信号の扱いが異なります。どちらもDDR4の288ピンでも、一般的なデスクトップPC用マザーボードでRDIMMを使うことはできません。

中古ラックサーバーではRDIMMがよく使われます。ただし、同じDDR4 RDIMMでも、容量、速度、ランク、x4・x8構成、DRAM密度、CPU世代による制限があります。

9. LRDIMM:より大容量のサーバー向け

LRDIMMは「Load Reduced DIMM」の略です。RDIMMより広い範囲の信号をバッファし、メモリコントローラーから見た負荷をさらに小さくする方式です。

LRDIMMは、多数の高容量モジュールを搭載するサーバーで選ばれます。ただし、LRDIMMだから必ずRDIMMより高速になるわけではありません。最大容量、搭載枚数、CPU世代、チャネル当たりのDIMM枚数によって、実際の動作速度は変わります。

RDIMMとLRDIMMは、同じサーバーに混在できない構成が一般的です。サーバーが両方を個別にサポートしていても、「同時に混ぜられる」という意味ではありません。

RDIMM、LRDIMM、ECC UDIMMの詳しい違いは、RDIMM・LRDIMM・ECCメモリの違いと選び方でも解説しています。

10. 3DS RDIMM・3DS LRDIMM

3DSは「Three-Dimensional Stacking」を指し、複数のDRAMダイを積層して一つのパッケージとして扱う高密度化技術です。3DS RDIMM3DS LRDIMMがあり、高容量メモリを必要とするサーバーで使われます。

3DSは「3Dグラフィックス用」という意味ではありません。また、基板の両面にチップがあるという意味でもありません。

3DS対応はCPU世代とサーバーのメモリコントローラー、BIOS、スロット配置ルールに依存します。通常のRDIMMに対応しているだけでは、3DS RDIMMも使えるとは断定できません。サーバーの仕様表で3DS RDIMMまたは3DS LRDIMMが明記されているか確認します。

11. VLP、NVDIMM-N、その他の特殊なDDR4

VLP DIMM

VLPは「Very Low Profile」の略です。通常のDIMMより基板の高さを低くし、薄型サーバー内の通風や部品配置に対応します。

VLPは電気的な方式ではなく、高さの区分です。VLP RDIMMなどの組み合わせで表記されます。高さが合っても、RDIMMとしての対応、容量、速度、ランクが合わなければ使えません。

NVDIMM-N

NVDIMMは「Non-Volatile DIMM」の略で、電源断後も内容を保持する目的のメモリモジュールです。DDR4世代のサーバーで見かけるNVDIMM-Nは、DRAMに加えて不揮発性メモリやバックアップ用の仕組みを組み合わせ、停電時にDRAMの内容を保存します。

見た目がDDR4 RDIMMに近くても、通常のメインメモリの代用品ではありません。対応サーバー、指定スロット、バックアップ電源、BIOS設定、OSやアプリケーション側の対応が必要です。DellのNVDIMM-N資料でも、通常のRDIMMとは異なる配置ルールが案内されています。

メーカー・機器専用モジュール

DDR4には、通信機器、ストレージ装置、組み込み機器向けの特殊な高さやコネクター、メーカー独自基板を使ったモジュールもあります。汎用品のDIMMやSO-DIMMと似た説明で販売されていても、一般PCへ流用できるとは限りません。

中古品では、メーカーの部品番号、FRU番号、対応機種を確認します。DDR4と書いてあることは、接続先がDDR4世代であることを示すだけで、すべてのDDR4機器との互換性を保証しません。

12. LPDDR4・GDDR4・OptaneはDDR4 DIMMの種類ではない

名前に「DDR4」やDDR世代を連想する言葉が含まれていても、交換用DDR4 DIMMとは別のものがあります。

名称 概要 DDR4 DIMMとの関係
LPDDR4 低消費電力を重視したモバイル向けメモリ 別規格。基板へ直接実装される製品が多い
GDDR4 GPU向けのグラフィックスメモリ 別規格。PCのメインメモリ用DIMMではない
Intel Optane Persistent Memory 対応サーバー向けの永続メモリ DDR4スロット周辺で使う世代があるが、通常のDDR4 DRAMではない

これらを「DDR4の小型版」「DDR4のサーバー版」と考えて購入すると、互換性を誤ります。

13. メモリランクとx4・x8・x16

ラベルにある1Rx82Rx4は、ランク数とDRAMチップのデータ幅を表します。

2Rx8
│  └─ 1個のDRAMチップがx8幅
└──── 2ランク

ランクは、メモリコントローラーが一つのまとまりとして選択するDRAMのグループです。

表記 意味
1R シングルランク
2R デュアルランク
4R クアッドランク
8R オクタルランク
x4 1チップ当たり4bit幅
x8 1チップ当たり8bit幅
x16 1チップ当たり16bit幅

「チップが基板の片面だけならシングルランク、両面ならデュアルランク」とは限りません。基板の表裏と電気的なランク数は別です。高密度DRAMや積層パッケージでは、外見だけでは判断できません。

また、デュアルランクとデュアルチャネルも別の用語です。

  • デュアルランク:1枚のDIMM内部の構成
  • デュアルチャネル:CPUと複数DIMM間のメモリチャネル構成

サーバーでは、1チャネル当たりに搭載できるランク数やDIMM枚数が決まっています。同じ容量のメモリでも、1Rx8と2Rx4を無条件に交換できるとは限りません。

14. DDR4の速度表記

DDR4-3200とPC4-25600の違い

DDR4-3200の3200は、データ転送レートの3200MT/sを表します。厳密にはMHzではありません。DDRは1クロックで2回転送するため、DDR4-3200の実クロックはおおむね1600MHzです。

PC4-25600は、モジュールの理論上の帯域幅をMB/sで表した名称です。64bit、つまり8byte幅のため、次のように計算できます。

3200MT/s × 8byte = 25,600MB/s

主な対応は次のとおりです。

データレート表記 帯域幅表記の例 理論帯域幅
DDR4-1600 PC4-12800 12,800MB/s
DDR4-1866 PC4-14900 約14,900MB/s
DDR4-2133 PC4-17000 約17,000MB/s
DDR4-2400 PC4-19200 19,200MB/s
DDR4-2666 PC4-21300 約21,300MB/s
DDR4-2933 PC4-23400 約23,400MB/s
DDR4-3200 PC4-25600 25,600MB/s

端数の丸め方により、販売店やメーカーでPC4-21300PC4-21333のように表記が異なる場合があります。転送速度側の表記と製品型番を合わせて確認すると安全です。

速いメモリを挿しても必ず速くならない

DDR4-3200を挿しても、CPUやマザーボードがDDR4-2666までなら、対応する低い速度で動作することがあります。複数の速度を混ぜると、低い方へそろう構成もあります。

ただし、「どんな高速メモリでも自動的に下がるから使える」とは限りません。DRAM密度、ランク、電圧、SPD、枚数制限、BIOS対応によって起動しないことがあります。

15. CL、JEDEC、XMP、電圧の違い

CLとタイミング

CL16CL22のCLはCAS Latencyです。読み出し命令からデータが出始めるまでのクロック数に関係します。CLの数字だけで速さを比較せず、データレートと組み合わせて見ます。

サーバーメモリのラベルにあるPC4-2666Vなど、速度の後ろに付く文字はJEDECの速度・タイミング区分です。このVを「電圧」のVだと思わないようにします。

JEDEC標準とXMP

JEDECは、DDR SDRAMなどの標準を策定する団体です。メモリのSPDには、機器が読み取る標準タイミング情報が保存されています。

ゲーミングPC向けメモリでは、XMPなどのオーバークロック用プロファイルが付く製品があります。箱にDDR4-3600やDDR4-4000と書かれていても、設定を有効にしなければ標準側の速度で動く場合があります。CPUとマザーボードの対応、BIOS設定が必要で、定格外動作として扱われる組み合わせもあります。

DDR4の標準電圧は1.2Vです。一方、オーバークロック製品では1.35Vなどを指定するものがあります。高い電圧を必要とするプロファイルを、対応確認なしでサーバーや省電力PCに使わないようにします。

16. 容量とDRAM密度

DDR4 DIMMには、4GB、8GB、16GB、32GB、64GB、128GBなど、さまざまな容量があります。ただし、同じ16GBでも内部構成は同じとは限りません。

  • 使用しているDRAMチップの密度
  • チップのデータ幅がx4・x8・x16のどれか
  • 1R・2Rなどのランク数
  • ECCの有無
  • UDIMM・RDIMM・LRDIMMの違い
  • 3DS構造か

古いDDR4対応PCでは、後から登場した高密度チップのDIMMを認識できないことがあります。「DDR4対応」「最大16GB」とだけ書かれた古い仕様では、1枚16GBに対応するのか、8GBを2枚で合計16GBなのかも確認が必要です。

最大容量は、CPUが扱える容量だけでなく、マザーボード、スロット数、1枚当たり容量、ランク、BIOSの制限を含めて決まります。

17. 混在できるもの・できないもの

混在可否は機種ごとに異なりますが、基本的な考え方は次のとおりです。

組み合わせ 一般的な判断
DDR3とDDR4 物理・電気的に非互換
DDR4とDDR5 物理・電気的に非互換
UDIMMとRDIMM 混在不可。そもそも対応プラットフォームが異なる
RDIMMとLRDIMM 混在不可のサーバーが一般的
ECC UDIMMとRDIMM 混在不可
ECCと非ECCのUDIMM 機種依存。混在を前提にしない
異なる速度 低い方へそろう場合があるが、保証は機種依存
異なる容量・ランク 動作する場合もあるが、チャネル構成や速度制限を要確認
異なるメーカー 規格が合えば動作する例はあるが、完成品PCでは対応部品表を優先

実例:メーカー・容量・ランクが違っても動いている構成

筆者のPCでは、TEAMGROUPとKingstonという異なるメーカーのDDR4メモリを混在させています。容量とランクも統一していませんが、現在は合計96GBを認識し、一応問題なく利用できています。

CPU-Z 2.08.0のSPD画面で確認した構成は次のとおりです。シリアル番号は公開する必要がないため省略しています。

スロット モジュールメーカー 容量 最大帯域幅 ランク DRAMメーカー
Slot 1 TEAMGROUP 32GB DDR4-3200 Dual SK Hynix
Slot 2 Kingston 16GB DDR4-3200 Single SK Hynix
Slot 3 TEAMGROUP 32GB DDR4-3200 Dual SK Hynix
Slot 4 Kingston 16GB DDR4-3200 Single SK Hynix

各スロットのSPD画面は次のとおりです。公開する必要のないシリアル番号だけを隠し、メーカー名、型番、容量、ランク、SPDタイミングは確認できる状態にしています。画像をクリックすると原寸で開けます。

Slot 1:TEAMGROUP 32GB Slot 2:Kingston 16GB
CPU-Z SPD画面:TEAMGROUP 32GB、Slot 1 CPU-Z SPD画面:Kingston 16GB、Slot 2
Slot 3:TEAMGROUP 32GB Slot 4:Kingston 16GB
CPU-Z SPD画面:TEAMGROUP 32GB、Slot 3 CPU-Z SPD画面:Kingston 16GB、Slot 4

CPU-ZのMemory画面では、次の状態を確認できました。

  • 合計容量:96GB
  • チャネル表示:2 x 64-bit
  • DRAM Frequency:約1596MHz
  • 主なタイミング:CL16-18-18-38
  • Command Rate:2T

CPU-Z Memory画面:DDR4合計96GB、2 x 64-bit

CPU-ZのMemory画面。DDR4を合計96GB認識し、チャネルは2 x 64-bit、DRAM Frequencyは約1596MHzと表示されています。

DDRメモリは1クロック当たり2回データを転送するため、約1596MHzという表示は実効約3192MT/sに相当し、公称DDR4-3200に近い動作です。計測中のベースクロックのわずかな変動などにより、CPU-Zで1600MHzちょうどにならないことがあります。

この実例では、モジュールの販売メーカー、1枚当たり容量、ランクが異なっていても動作しています。一方で、どちらもDDR4-3200とXMP 2.0に対応し、搭載DRAMはSK Hynixです。まったく共通点のないメモリを無条件で混ぜられる、という意味ではありません。

さらに、各モジュールのSPDに記録されたXMPタイミングには差があります。現在のPCが起動してCPU-Zで認識されていることは確認できますが、この画面だけで長時間の完全な安定性まで証明できるわけではありません。増設後はメモリ診断を行い、普段の処理でも次の症状が出ないか確認します。

  • ブルースクリーンや突然の再起動
  • アプリケーションの原因不明な終了
  • ファイルの展開・圧縮時のエラー
  • メモリ診断でのエラー
  • WHEAなどハードウェア関連エラーの記録

つまり、「メーカーをそろえないと絶対に動かない」というわけではありません。規格とプラットフォームの条件が合えば、筆者環境のようにメーカー・容量・ランクが違っても動く場合があります。ただし、安定性を優先するなら同一型番のセットを選び、混在させる場合は動作確認とメモリテストを行うのが安全です。

Intelのサーバー向けメモリ配置資料でも、RDIMM、LRDIMM、3DS系の不正な混在は、メモリ初期化時の重大エラーにつながると案内されています。

2CPUサーバーでは、メモリスロットがCPUごとに割り当てられます。2基目のCPUが未搭載なら、そのCPU側のスロットは通常使えません。CPUごと、チャネルごとに同じ容量と構成をそろえる規則があるため、空いている場所へ順番に挿す方法では起動しないことがあります。

18. DDR4ラベルの読み方

中古メモリでは、商品説明より実物ラベルを確認します。例として、次のような表記を分解します。

16GB 2Rx8 PC4-2666V-RE1-11
部分 おおまかな意味
16GB モジュール1枚の容量
2R デュアルランク
x8 DRAMチップのデータ幅
PC4 DDR4世代
2666 2666MT/sクラス
V JEDECの速度・タイミング区分
R RDIMMを示すメーカー表記の例
E1-11 基板設計やリビジョンなどの製品情報。メーカー資料で確認

末尾の記号はメーカーごとに読み方が異なります。型番全体をメーカーのPart Number Decoderやデータシートへ入力して確認してください。

なお、販売ページでPC4Lと書かれていることがありますが、DDR3Lのような一般的な世代名と同じ感覚で判断しない方が安全です。DDR4の標準電圧は1.2Vです。出品者独自の「低電圧」表現より、メーカーの正式型番と仕様を優先します。

19. 用途別の選び方

デスクトップPC

通常は非ECC UDIMMです。マザーボードのDDR4対応、最大容量、1枚当たり容量、速度、ランク、推奨メモリ一覧を確認します。XMPを使う場合は、CPUとマザーボードの対応も必要です。

ノートPC・ミニPC

通常は非ECC SO-DIMMです。オンボードのみか、空きスロットがあるか、最大容量が1枚単位か合計かを確認します。DDR4 SO-DIMMとデスクトップ用DDR4 DIMMは交換できません。

ECC対応ワークステーション

ECC UDIMMを使う機種とRDIMMを使う機種があります。CPU名だけで判断せず、完成品の技術仕様とマザーボードの対応メモリ種類を確認します。

中古サーバー

RDIMMまたはLRDIMMが中心です。同じサーバーモデルでも、CPU世代や構成によって最大速度と容量が変わります。メーカーのQuickSpecs、Technical Guide、Memory Population Rules、保守マニュアルを確認します。

大容量サーバー

LRDIMMや3DS RDIMM・3DS LRDIMMが候補になります。ただし、容量単価だけでなく、対応CPU、チャネル当たりの枚数、最大速度、消費電力、将来の増設方法を含めて決めます。

20. 中古DDR4を買う前のチェックリスト

  • DDR4であることを確認した
  • DIMMかSO-DIMMか確認した
  • UDIMM、ECC UDIMM、RDIMM、LRDIMMを確認した
  • 容量だけでなく1R・2R・4Rとx4・x8・x16を確認した
  • DDR4-2666などの転送速度を確認した
  • CPUとPC・サーバー本体の正確な型番を確認した
  • 公式の最大容量と1枚当たり容量を確認した
  • メモリ配置順と混在ルールを確認した
  • 実物ラベルとメーカー型番を確認した
  • BIOS・ファームウェアの対応を確認した
  • 返品条件と初期不良対応を確認した

増設では、現在付いているメモリと同じメーカー型番をそろえる方法が比較的安全です。ただし、上記の96GB構成のように、条件が合えば異なるメーカーでも動作する場合はあります。また、完成品メーカーの保守部品番号が同じでも、中のDRAM構成が改訂される場合があります。最終的には本体の公式対応情報と増設後のテスト結果を優先します。

21. よくある勘違い

DDR4ならどのDDR4スロットでも使える

使えません。DIMMとSO-DIMM、UDIMMとRDIMM、ECC対応、ランク、DRAM密度などの条件があります。

ピン数が同じなら互換性がある

DDR4 UDIMM、RDIMM、LRDIMMはフルサイズで288ピンですが、信号方式が異なります。物理的に似ていても互換性は保証されません。

ECCメモリはすべてRDIMM

違います。ECC UDIMMとECC SO-DIMMもあります。ECCは機能、Registeredは信号方式です。

両面にチップがあればデュアルランク

外見だけでは決まりません。ランクは電気的な構成です。ラベルまたはメーカー仕様を確認します。

DDR4-3200を買えば必ず3200MT/sで動く

CPU、マザーボード、DIMM枚数、ランク、BIOS設定で上限が決まります。低い速度で動作する場合があります。

XeonならすべてのECCメモリを使える

Xeonも世代と製品系列によって対応が違います。ECC UDIMMだけの製品、RDIMM対応製品、LRDIMMや3DSに対応する製品があります。

22. FAQ

DDR4-3200とPC4-25600は同じですか

同じ速度クラスを別の方法で表した名称です。前者は3200MT/sのデータレート、後者は理論帯域幅25,600MB/sを表します。

DDR4-3200とDDR4-2666を混ぜてもよいですか

低い速度へそろって動く機種はありますが、必ず起動するとは限りません。PCやサーバーの対応表、容量、ランク、配置ルールを確認してください。

ECCメモリは普通のPCで使えますか

CPUとマザーボードの両方が、そのECCメモリの方式に対応している必要があります。物理的に挿せるだけでは判断できません。

RDIMMをゲーミングPCで使えますか

一般的なデスクトップ向けマザーボードはRDIMMに対応しません。サーバー・ワークステーション向けの対応プラットフォームが必要です。

1Rx8と2Rx8はどちらが速いですか

ランク数だけで一律に優劣は決まりません。CPU、チャネル構成、枚数、周波数、タイミングによって結果が変わります。まず互換性と推奨配置を優先します。

DDR4はいつまで使えますか

DDR5が普及しても、DDR4対応PCやサーバーは引き続き使用できます。ただし、新品部品の供給、OSの対応、故障部品の入手性は機種ごとに変わります。使用期間はメモリ規格だけでは決まりません。

23. まとめ

DDR4はDDR SDRAMの第4世代で、一般的な標準電圧は1.2Vです。デスクトップ向けのフルサイズDIMMは288ピン、ノートPC向けSO-DIMMは260ピンですが、形が合うだけでは互換性を判断できません。

DDR4の種類を確認するときは、次の順番で整理します。

  1. DDR4世代か
  2. DIMMかSO-DIMMか
  3. UDIMM、RDIMM、LRDIMMのどれか
  4. ECCか非ECCか
  5. 容量、ランク、x4・x8・x16構成が合うか
  6. 速度、タイミング、電圧が対応範囲か
  7. CPU、マザーボード、BIOS、スロット配置が対応するか

一般PCなら非ECC UDIMM、ノートPCなら非ECC SO-DIMMが中心です。サーバーではECC UDIMM、RDIMM、LRDIMM、3DS系などが使われます。NVDIMM-Nのような特殊モジュールは、専用の対応環境が必要です。

最も確実なのは、メモリ単体の説明だけで決めず、使用するPCやサーバーの型番から公式の対応メモリ表を確認することです。中古品では、商品名より実物ラベルとメーカー型番を優先してください。

参考にした公式情報